2023年　国内LPWAおよびIoT衛星通信サービス市場動向

近年,通信事業者が低軌道(LEO)の人工衛星やHAPS(High Altitude Platform Station)などのNTN(Non-Terrestrial Network)通信技術を用いて広範囲をカバーする取り組みを行っており,そのIoT(Internet of Things)分野の活用にも関心が集まっている。また,効率的にIoT通信を行うための新たなLPWA(Low Power Wide Area)規格の策定などの動向が生まれている。こうした状況を踏まえ,LPWA通信やNTN通信技術の国内IoT市場への影響を分析することを本調査レポートの目的とする。今回の調査では,LPWA通信を公衆網として提供する事業者やNTNを用いた通信サービスに取り組む事業者に着目している。そうした事業者が想定しているユースケースやユーザー企業の特徴,注目すべき市場動向や法規制の動向に加え,各事業者の戦略の分析を試みている。「低軌道衛星を用いた通信サービスでは,通信事業者が最初に取り組んでいるのはIoTよりもむしろ,ブロードバンドインターネットや携帯電話のデータ通信／音声通話サービスである。また,LPWA通信サービス市場で立ち上がりつつ有望な市場の一つに,製造業でのスマートメンテナンス向け市場がある。通信事業者やSIerは,適切なパートナーシップなどを通じて,こうした市場での案件獲得を目指すべきである」とIDC Japan,Infrastructure & Devicesのリサーチマネージャーである山下 頼行は述べている。

Table of Contents：目次

Executive Snapshot

市場開拓と市場動向

• IoT衛星通信市場の動向
• LPWA市場の動向
  • LPWA通信サービス市場の動向
    • LPガススマートメーター向け市場の拡大
    • 水道スマートメーター向け市場の立ち上がり
    • スマートメンテナンス向け市場の立ち上がり
    • 物流分野での取り組み
  • 自営網型のLPWA市場の動向
    • Wi-Fi HaLowの国内利用開始
• 電波利用規制がLPWA/IoT衛星通信市場に与える影響
  • LPWA通信分野の規制
    • アンライセンスバンドに関する規制
    • デジタルMCA跡地の活用に関する規制
  • 衛星通信分野の規制
    • Starlink Businessを公海上で利用するための国内規制の緩和に向けた動向
    • 割り当て済みの携帯電話用電波を衛星経由で使うための国際調整
• LPWAと衛星通信を組み合わせたIoT通信サービスの可能性
• 主要ベンダー／ユーザー企業の動向
  • ソフトバンク
  • 楽天モバイル
  • KDDI
  • NTTコミュニケーションズ
  • 京セラコミュニケーションシステム(KCCS)
  • 802.11ah推進協議会
  • NTTアグリテクノロジー

ITサプライヤーの提言

• LPWA/IoT衛星通信ソリューションプロバイダーへの提言

参考資料

• 関連調査
• Synopsis

List of Figures (3)

• Executive Snapshot：2023年 国内LPWAおよびIoT衛星通信サービス市場動向
• ドコモビジネスのIoT注力領域
• 802.11ahと他の規格との比較