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ヒューマノイドロボットの市場規模:8社8本の市場調査レポートの推計を比較

ヒューマノイドロボットの事業や投資を検討する資料に、どの調査会社の数字を引くかを決められるよう、各社の推計と予測の期間、推計の差についての3つの仮説、知りたいことに合うレポートを1ページに整理しました。

市場の定義とレポートごとの対象範囲

ヒューマノイドロボット(人型ロボット)は、人の身体の形状や動作を模した体に、周りを認識して判断し、動くためのAIを載せたロボットです。二足歩行型や車輪型のほか、胴体型・固定型を含むレポートもあります。工場の組み立てや倉庫の荷役、介護・接客・案内など、人のために作られた場所で、人と同じ設備を使って働くことを目指しています。実世界で認識・判断・行動するAIをまとめてフィジカルAI(物理AI)と呼び、ヒューマノイドロボットはその代表的な応用先の一つです。ロボット本体を推計するレポートのほか、構成部品に絞ったもの、器用な手・GPU・ベアリングといった部品別のもの、米国だけを扱うもの、第2世代の製品に絞ったものがあり、書名に掲げる範囲はレポートごとに違います。

体のつくり:関節を動かすアクチュエータや減速機、周りを捉えるセンサー、物をつかむ手、電池、判断を担う演算装置(GPU・SoCなど)を組み合わせます。部品ごとに市場を推計したレポートもあります。ロボットなどの身体を通じて周りと関わるAIはエンボディドAI(身体性AI)と呼ばれ、MarketsandMarketsがその市場を扱っています。

レポートが扱う用途・種類など

用途や製品の種類などの例と、その項目で対象を分けているレポートや、特定の対象に絞ったレポートを紹介します。

項目例関連するレポート
動き方(形態)二足歩行・車輪型MarketsandMarketsが「タイプ別(二足歩行型・車輪駆動型)」の区分を持つ。Global Market Insightsも概要で車輪式の区分に触れる
構成要素アクチュエータ・減速機・センサ・電源Astute Analytica(構成部品)
部品別器用な手・GPU・ベアリング器用な手(360iResearch)、GPU(Mordor Intelligence)、ベアリング(QYResearch)
用途製造・物流・医療・小売・教育・公共サービス360iResearch、BCC Research
地域米国・中国Grand View Research(米国)、ResearchInChina(国内外の主要20社)
世代第2世代360iResearch(第2世代)

調査会社別の市場規模の推計

各社の推計を、出典と年を添えて並べます。2025年の値では、Grand View Researchが18.1億ドル、BCC Researchが19億ドル、The Business Research Companyが21.8億ドル、360iResearchが29.1億ドル、Fortune Business Insightsが48.9億ドル、Global Market Insightsが79億ドルと推計しています。2026年の値では、MarketsandMarketsが54.1億ドル、Mordor Intelligenceが39.3億ドルです。見取図の起点に置いた2026年の値は、The Business Research Companyが26.8億ドル、360iResearchが36.4億ドル、Fortune Business Insightsが62.4億ドルです(いずれも概要に記載。表には2025年の値を載せています)。

起点最終年金額:億米ドル
20252026202720282029203020312032203320342035Grand View Research18.169.4BCC Research19110The Business Research Company26.857360iResearch36.4145.3Fortune Business Insights62.41,651.3Global Market Insights791,927MarketsandMarkets54.1502.7Mordor Intelligence39.3178
円の面積は公表額に比例。全資料・全年で共通尺度。青円内の灰円は、起点額を同じ大きさで再掲しています。各資料の対象範囲は一致するとは限りません。線は2時点を結ぶもので、途中年の推移を示しません。
調査会社市場規模の推計将来の予測CAGR対象期間日本市場の扱い価格
Grand View Research2026年05月22日18.1億ドル2025年69.4億ドル2033年18.8%2026〜2033年国別の項目USD 4,950約79万円(税抜)より
BCC Research2025年10月09日19億ドル2025年110億ドル2030年42.8%2025〜2030年掲載目次に明記なしUSD 4,650約74万円(税抜)より
The Business Research Company2026年09月23日21.8億ドル2025年57億ドル2030年20.8%2026〜2030年独立章USD 4,490約71万円(税抜)より
360iResearch2026年07月10日29.1億ドル2025年145.3億ドル2032年25.8%期間の記載なし国別の項目USD 3,939約63万円(税抜)より
Fortune Business Insights2026年08月01日48.9億ドル2025年1,651.3億ドル2034年50.6%2026〜2034年国別の項目USD 4,850約77万円(税抜)より
Global Market Insights2026年06月09日79億ドル2025年1,927億ドル2035年37.6%2026〜2035年国別の項目USD 4,850約77万円(税抜)より
MarketsandMarkets2026年07月06日54.1億ドル2026年502.7億ドル2035年28.1%2026〜2035年掲載目次に明記なしUSD 4,950約79万円(税抜)より
Mordor Intelligence2026年06月19日39.3億ドル2026年178億ドル2031年35.26%2026〜2031年国別の項目USD 4,750約76万円(税抜)より

比較に用いた年も予測の終わりの年も、書名に掲げる対象もレポートによってそろっていないので、平均や幅にはまとめず、調査会社別に載せています。360iResearchのCAGRは、概要に対象期間の記載がないため、期間を補わずに載せています。※「日本市場の扱い」の項目定義は次の通りです。【独立章】日本が章の見出しになっている。【国別の項目】国別・地域別の章の中に日本がある。【掲載目次に明記なし】公開された目次に日本の記載がない。「CAGR」は年平均成長率で、対象期間はその計算の起点と終点の年です。「価格」は、最も安いライセンスの日本円換算の目安(1米ドル=159.19円、2026年10月17日の商品ページの表示。1万円未満を四捨五入)。

EDITORIAL VIEWGIIの読み(GII編集部)

推計が調査会社で違う理由:3つの仮説

レポートによる金額の差は、売上の計上範囲、対象の用途・形、成長の前提の違いから生まれている可能性があります。3つの仮説と、サンプル・目次で確かめる点を並べました。

違いが出やすい点考えられる違いサンプル・目次で確かめること
売上の計上範囲ロボット本体の販売額だけか、ソフトウェア・保守・サービスまで含めるかが違う可能性市場の定義、売上の対象、本体と部品の重複の扱い
対象の用途・形産業用・業務用・家庭用や、二足歩行型・車輪型などを、どこまで含めるかが違う可能性用途別・タイプ別の内訳と合計
成長の前提量産が始まる時期、価格の下がり方、導入の台数の想定が違う可能性予測の主な前提とシナリオ、台数と単価の推移

公開の概要からは、どの仮説が当てはまるかまでは確かめられません。どれも一般的な仮説で、各社の算定方法として確かめた内容ではありません。

数字を引く1本は、総額で選ばず、本体だけを対象にするのか、ソフトウェアやサービスも入れるのか、形や用途ごとの内訳があるのか、サンプルの目次で見比べて決めます。CAGRを引用する際は、何年から何年の伸びかも一緒に書きます。

検索の関心は、規模の数字より「作り手と部品」に向いている

GIIのサイト内検索を見ると、「ヒューマノイドロボット」の語だけで探されることが多く、「市場規模」を添えた検索はその一部です。よく読まれているのも、メーカーのシェアや順位、ベアリングや手といった部品、中国の産業の動きを扱うレポートです。題名に「市場シェア分析」とあるMordor Intelligence、主要ベンダーの商用化を用途ごとに比べるResearchInChina、構成部品に絞ったAstute Analyticaを推計の表と並べて読むと、需要の大きさに加えて、部品の調達先や競う相手まで具体的に描けます。

目的別の市場調査レポートの選び方

知りたいことごとに、商品ページの公開概要で確かめられる切り口と、それを持つレポートを並べました。レポート名から商品ページへ進めます。

調べたいことレポート公開概要で確認できる切り口
移動方法やコンポーネントの区分で、2033年まで見たいGrand View Research書名にコンポーネント別・用途別・移動方法別・地域別を掲げ、2033年まで予測する。同じ調査会社に米国だけのレポートもある
用途別の推計の厚さを見たいBCC Research政府・公共サービス、物流・倉庫など、用途別の推計を示す
2035年まで、長めの予測で見たいGlobal Market Insights2025年の値から2035年までを予測する。車輪式の区分のシェアに触れる
日本の動きもあわせて見たいThe Business Research Company目次に日本の独立章がある。2026年9月の発行で、比べた推計の中で最も新しい(記事執筆時)
用途の広がりを見たい360iResearch製造・物流・医療・小売・教育・検査・公共サービスでの商用パイロット事業に触れる
地域ごとの内訳とあわせて見たいFortune Business Insights2026年から2034年までを予測する。概要でアジア太平洋・北米・欧州などの地域別の値と、二足歩行・ハードウェアの区分に触れる
二足歩行か車輪型か、形ごとの伸びを見たいMarketsandMarketsタイプ別(二足歩行型・車輪駆動型)に分ける(2026年の値)
メーカーのシェアを知りたいMordor Intelligence題名に「市場シェア分析」とある。2026年から2031年までを予測する
部品・サプライヤーの需要を見たいAstute Analytica(構成部品)アクチュエータ・減速機などの構成部品に絞った推計。部品メーカーの供給シェアに触れる(2026年7月発行)
商用化の進み方を、用途ごとに知りたいResearchInChina国内外の主要20社の商用化の進み方を、用途ごとに比べる(2026年9月発行)

価格・ライセンスは各商品ページで確認できます。サンプル依頼は何本でも無料です。

関連するテーマ

サイト内検索で探す

ヒューマノイドロボットの市場調査レポートを検索する

GIIのサイト内検索で、ヒューマノイドロボットに関するレポートをすべて探せます。キーワードを変えて絞り込むこともできます(結果は別のタブで開きます)。「人型ロボット」「エンボディドAI」でも探せます。

よくあるご質問

Q.ヒューマノイドロボットとは何ですか?
A.

人の身体の形状や動作を模したロボットです。二足歩行型や車輪型のほか、胴体型・固定型を含むレポートもあります。多くは、周りを認識して判断し、動くためのAIを載せています。人のために作られた工場や倉庫、建物で、人と同じ道具や設備を使って働けることが利点とされます。

Q.人型ロボットとヒューマノイドロボットは、同じものですか?
A.

同じものを指します。GIIで扱うレポートの題名では「ヒューマノイドロボット」が多く使われ、Speedaのトレンドなどでは「人型ロボット」とも書かれます。

Q.ヒューマノイドロボットの市場規模はどれくらいですか?
A.

レポートによって違います。たとえばGrand View Researchは2025年に18.1億ドル、Global Market Insightsは2025年に79億ドル、MarketsandMarketsは2026年に54.1億ドルと推計しています。各社の値と予測期間は、「調査会社別の市場規模の推計」の表をご覧ください。

Q.ヒューマノイドロボットの市場は、どのくらいのペースで伸びますか?
A.

伸び率(CAGR)の値も、その計算の起点と終点の年も、レポートによって違います。「調査会社別の市場規模の推計」の表に、各社のCAGRを対象期間と並べて載せました。

Q.ヒューマノイドロボットの市場規模が、レポートによって違うのはなぜですか?
A.

可能性として挙げられるのは、売上の計上範囲、対象の用途・形、成長の前提の違いです。3つの仮説と、サンプルで確かめる点は「GIIの読み」にあります。どの仮説が当てはまるかは、公開の概要からは特定できません。

Q.ヒューマノイドロボットとフィジカルAIは、どう違いますか?
A.

フィジカルAIは、ロボットや車両などが実世界で認識・判断・行動するためのAIの総称で、ヒューマノイドロボットはその代表的な応用先の一つです。フィジカルAIの市場をまとめて推計したレポートは、総合テーマ「フィジカルAI」のページで比べています。

Q.ヒューマノイドロボットの日本市場のデータはありますか?
A.

The Business Research Companyのレポートは、目次に日本の独立章があります。比較した8本のうち6本が、目次の独立章や国別の項目で日本を扱っています。比較表の「日本市場の扱い」の列をご覧ください。

Q.どのレポートを選べばよいか分かりません。
A.

サンプル依頼は何本でも無料です。この記事を読んで気になったレポートがあれば、まずサンプルを依頼してみてください。専任スタッフがご要望を伺い、最適なレポートの最新版をご紹介します。

出典一覧

市場規模とCAGRは、各レポートの商品ページの「概要」欄からの引用です(2026-10-17取得)。発行日・価格は商品ページの欄、日本の扱いは目次、本数の集計はGIIが計算したものです。

  1. ヒューマノイドロボット市場:市場規模・シェア・動向分析(コンポーネント別・用途別・移動方法別・地域別)、セグメント別予測(2026年~2033年)(Grand View Research、2026-05-22、商品コード 2068090)
  2. ヒューマノイドロボット:用途・産業・世界の市場(BCC Research、2025-10-09、商品コード 1842136)
  3. ヒューマノイドロボットの世界市場レポート 2026年(The Business Research Company、2026-09-23、商品コード 2133792)
  4. ヒューマノイドロボット市場:提供別、動作タイプ別、自律度別、動力源別、用途別、販売チャネル別―2026年~2032年の世界市場予測(360iResearch、2026-07-10、商品コード 2085774)
  5. ヒューマノイドロボット市場の規模、シェア、成長、世界の業界分析、地域別動向および2026年~2034年までの予測(Fortune Business Insights、2026-08-01、商品コード 2128250)
  6. ヒューマノイドロボット市場のビジネスチャンス、成長要因、業界動向分析、および2026年~2035年の予測(Global Market Insights、2026-06-09、商品コード 2071309)
  7. ヒューマノイドロボットの世界市場 (~2035年):タイプ (二足歩行型・車輪駆動型)・コンポーネント (リニア&ロータリーアクチュエータ・モーター・カメラ&ビジョンセンサー・ハーモニック&遊星減速機・エンコーダ・加速度センサー・トルクセンサー・モーション&関節コントローラ) 別(MarketsandMarkets、2026-07-06、商品コード 2096353)
  8. ヒューマノイド:市場シェア分析、業界動向と統計、成長予測(2026年~2031年)(Mordor Intelligence、2026-06-19、商品コード 2073482)
  9. ヒューマノイドロボットコンポーネントの世界市場:コンポーネント別、アクチュエーションタイプ別、用途別、エンドユーザー別、地域別 - 市場規模、業界力学、機会分析および予測(2026年~2035年)(Astute Analytica、2026-07-13、商品コード 2094037)
  10. ヒューマノイドロボット産業の進展と商用化調査レポート、2026年(ResearchInChina、2026-09-04、商品コード 2129079)
  11. ヒューマノイド器用手市場:タイプ、コンポーネント、技術、用途、最終用途産業、流通チャネル別、世界予測、2026年~2032年(360iResearch、2026-02-24、商品コード 1952602)
  12. ヒューマノイドロボットGPU:市場シェア分析、業界動向と統計、成長予測(2026年~2031年)(Mordor Intelligence、2026-06-25、商品コード 2098522)
  13. ヒューマノイドロボット用ベアリング:世界市場シェアとランキング、総売上高および需要予測(2026年~2032年)(QYResearch、2026-03-03、商品コード 1965183)
  14. 米国のヒューマノイドロボット市場規模、シェアおよび動向分析レポート:コンポーネント別、用途別、動作タイプ別、流通チャネル別、およびセグメント別予測(2026~2033年)(Grand View Research、2026-08-24、商品コード 2132340)
  15. 第2世代ヒューマノイドロボット市場:製品タイプ、技術、自由度、ペイロード容量、提供、用途、エンドユーザー別、世界予測、2026年~2032年(360iResearch、2026-03-04、商品コード 1967025)
  16. エンボディドAIの世界市場:製品タイプ別、具現化レベル別、業界別、地域別 - 2030年までの予測(MarketsandMarkets、2025-07-02、商品コード 1766386)

比べた推計は、概要に2025年(MarketsandMarkets・Mordor Intelligenceは2026年)の値と予測値があり、金額とCAGRが合うものから、役割が重なるもの(Value Market Research・Astute Analyticaの本体の推計)、金額とCAGRが合わないもの(BIS Research)、比較に用いた年が古いもの、同じ調査会社の旧版、推計の前提を公開の概要から確かめられないもの(TechSci Research)を外した8本です。#1〜8は「調査会社別の市場規模の推計」、#9〜16は本文で紹介したレポートです。