2025年 国内企業のデジタルスキル育成とナレッジ共有の現状

本調査レポートでは、国内のエンドユーザー企業を対象に、デジタル／デジタルトランスフォーメーション（DX）人材の各役割における充足度や育成の優先度、さらには育成手法や課題についてアンケート調査を実施している。また同時に、ナレッジ共有の現状や仕組み、課題についてもアンケート調査を実施し、2社への取材も行っている。さらに、これらの結果をアンケート回答者「全体」として分析するだけでなく、回答者を「DXの進捗や成果の水準」で分類し、各グループ間での比較分析も行っている。この結果から、国内企業は依然としてデジタル人材の育成や確保が十分に進んでおらず、多くの課題が存在することが明らかになった。特に、育成を受ける側の工数不足や、育成計画とキャリアパスの連動の難しさが課題として挙げられた。また、デジタル人材育成の重要な要素であるナレッジ共有に関しても、DXの推進に不可欠な市場、製品／サービス、顧客情報の共有が十分に行われておらず、多くの企業では従来のIT、社内規定、人事関連情報共有に留まっていることが確認された。この課題の克服に向け、従来型のコンテンツ配信や社内ポータル活用に加え、社内コミュニティでの共有や対話型AI（Artificial Intelligence：人工知能）を活用した社内QAシステムなど新たな試みが進みつつある。さらに、デジタル人材の育成とナレッジ共有の取り組みが、国内企業における「DXの進捗や成果の水準」と強い相関があることも確認された。企業ごとに取り組み内容や直面する課題に大きな差があり、それがDX進捗にも影響を与えていることが示唆されている。「DX戦略の実現には、必要なスキルセットを明確に定義し、それと連動した育成計画を策定することが不可欠である。特に、座学に留まらず、実際の業務やプロジェクトを通じてスキルを習得できる実践的な経験の場を連動して提供することが重要である。さらに、育成の過程で得られたナレッジを個人に留めず、全社的に共有する仕組みを構築することが求められる。これによって、デジタル人材の知見が企業の資産として蓄積される文化の醸成が可能になる」と、IDC Japan、Tech Buyerのリサーチマネージャーである鈴木 剛は述べている。

Table of Contents: 目次

Executive Snapshot

概況

• 調査概要
• アンケート調査結果分析：国内企業のデジタルスキル育成とナレッジ共有の現状
  • 国内企業「全体」のデジタルスキル育成における現状
  • 国内企業DXの「進展／成果の水準」におけるデジタルスキル育成の現状と課題
  • 国内企業「全体」のナレッジ共有における現状
  • 国内企業DXの「進展／成果の水準」におけるナレッジ共有の現状と課題
• 事例分析：国内企業のデジタルスキル育成とナレッジ共有の現状と今後
  • 米国自動車製造業日本支社A社とそのIT部門の役割
    • A社のデジタル人材育成とナレッジ共有の現状
    • A社のデジタル人材育成とナレッジ共有の今後
  • 運輸業主体の持ち株会社に属するIT子会社B社とその役割
    • B社のデジタル人材育成の現状や課題と今後
    • B社のナレッジ共有の現状や課題と今後
• まとめ：国内企業のデジタルスキル育成とナレッジ共有の現状

ITバイヤーへの提言

参考資料

• 関連調査
• Synopsis

List of Tables (1)

• エンドユーザー企業におけるデジタルスキル育成とナレッジ共有の現状に関する動向、意識調査：対象回答者の属性

List of Figures(18)

• Executive Snapshot：2025年 国内企業のデジタルスキル育成とナレッジ共有の現状
• DX人材の充足度（全体 比較）
• DX人材の優先度／重要度（全体 比較）
• DX人材の育成手法／媒体（全体 比較）
• DX人材の育成の効果／成果（全体 比較）
• DX人材育成の課題（全体 比較）
• 国内企業のDXやDBの進展と成果状況
• DX人材の充足度（DXの進捗／成果水準 比較）
• DX人材の優先度／重要度（DXの進捗／成果水準 比較）
• DX人材の育成手法／媒体（DXの進捗／成果水準 比較）
• DX人材の育成の効果／成果（DXの進捗／成果水準 比較）
• DX人材育成の課題（DXの進捗／成果水準 比較）
• ナレッジ共有の領域（全体 比較）
• ナレッジ共有の仕組み（全体 比較）
• ナレッジ共有の期待効果（全体 比較）
• ナレッジ共有の領域（DXの進捗／成果水準 比較）
• ナレッジ共有の仕組み（DXの進捗／成果水準 比較）
• ナレッジ共有の期待効果（DXの進捗／成果水準 比較）