主なハイライト:
- CD40-CD40L二量体は十分に特徴づけられた免疫チェックポイントペアであり、T細胞活性化、免疫グロブリンクラススイッチ、サイトカイン産生に重要な役割を果たします。そのリガンドであるCD40L (CD154) は、II型膜貫通タンパク質 (32~39 kDa) であり、翻訳後修飾によって分子サイズが変化します。
- いくつかの共刺激シグナルの中でも、CD40-CD40Lは体液性および細胞性免疫の制御に不可欠であることから、移植医療の分野で特に注目されています。
- 炎症過程の調節におけるCD40-CD40Lシグナルの中心的役割を考慮すると、この二量体は炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス (SLE)、関節リウマチ、1型糖尿病、移植片など、多くの自己免疫疾患や炎症性疾患の病態生理に関与しています。
- CD40/CD40L経路を標的とした初期段階の臨床試験の最近の成果は、がん、自己免疫疾患、移植拒絶の治療において有望な結果を示しました。この経路は血小板活性化や、状況依存的な自然免疫細胞の活性化にも関わるため、心血管疾患や慢性腎疾患といった細胞活性の制御異常を特徴とする慢性疾患の管理にも応用可能性を持っています。
- CD40/CD40L阻害薬の新興パイプラインには、開発のさまざまな段階にある複数の候補薬が含まれており、これらは予測期間中に市場に大きな変化をもたらす可能性があります。代表的なものには、dapirolizumab pegol、frexalimab、tegoprubart (AT-1501)、MEM-288、Lu AG22515、abiprubart、TNX-1500などがあります。
- 現在、CD40/CD40L阻害薬は米国でまだ承認されておらず、日常的な臨床使用はされていません。 このクラスの薬剤の大部分、例えば抗CD40Lモノクローナル抗体 (frexalimabなど) は、自己免疫疾患や移植を対象に臨床試験または前臨床開発の段階にあります。
- 全身性エリテマトーデス (SLE) は多様な臨床症状を伴うため、治療が困難です。CD40Lを標的とするdapirolizumab pegolは主要な疾患領域において顕著な改善を示しており、有望視されています。PHOENYCS GO試験で得られた良好な成果を踏まえ、現在は第III相のPHOENYCS FLY試験でさらなる評価が進められており、特に女性に多く発症するSLEにおける重要なアンメットニーズの解消が期待されています。
- frexalimabは48週間にわたり持続的な病変縮小と低い再発率を示し、CD40Lが有効な標的であることを裏付けるとともに、再発型多発性硬化症に対する高い有効性治療薬となる可能性を支持しています。
- 現在、UCB、Eledon Pharmaceuticals、Memgen、Kiniksa Pharmaceuticals、H. Lundbeck、Sanofi、Tonix Pharmaceuticalsなど複数の企業が、選択的CD40/CD40L阻害薬の開発および製造に取り組んでおり、この市場に大きな影響を与え、発展させる可能性を秘めています。
- H. Lundbeckは、甲状腺眼症を対象としたLu AG22515の第Ib相試験データを2026年後半に公表する予定です。
当レポートでは、米国、EU4 (ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)、英国、日本におけるCD40/CD40L阻害薬の市場背景、競合情勢、市場動向を詳細に調査・分析しています。
また、当レポートでは、現在の治療の実態、新規治療薬の動向、各治療薬の市場シェア、2021年から2034年までの7MM (主要7市場:米国、EU4、英国、日本) における市場規模の現状および予測を提供します。また、アンメットメディカルニーズについても取り上げ、市場の潜在性を評価し、最適な事業機会を見極めるための内容となっています。
対象地域
- 米国
- EU4 (ドイツ、フランス、イタリア、スペイン) および英国
- 日本
調査期間:2021年~2034年
調査範囲:
- 主要イベント、エグゼクティブサマリー、CD40/CD40L阻害薬に関する記述的な概説、作用機序、新興パイプラインについての解説
- 競合環境の包括的分析、予測、治療率の将来の成長可能性、治療薬の浸透に関する洞察
- 現在および新規の治療薬の全体像、後期・中期・初期開発段階にある治療薬の詳細プロファイル
- CD40/CD40L阻害薬の詳細なレビュー、市場規模の推移と予測、治療薬別の市場シェア、詳細な前提条件、根拠
- SWOT分析、専門家/KOLの見解、治療選好などによる動向理解:7MMにおける事業戦略の策定が優位に
CD40/CD40L阻害薬のレポート:洞察
- 対象患者集団
- 治療アプローチ
- パイプライン分析
- 市場規模および動向
- 既存および将来の市場機会
CD40/CD40L阻害薬レポート:主な強み
- 10年間の予測
- 主要7カ国カバレッジ
- 主要競合薬
- 治療薬の普及率と主な市場予測の前提条件
CD40/CD40L阻害薬レポート:評価
- 現在の治療法
- アンメットニーズ
- パイプライン製品のプロファイル
- 市場の魅力
- 定性分析 (SWOTおよびコンジョイント)
目次
第1章 重要な洞察
第2章 レポートイントロダクション
第3章 CD40/CD40L阻害薬:エグゼクティブサマリー
第4章 主要な出来事
第5章 疫学・市場予測手法
第6章 主要7カ国のCD40/CD40L阻害薬市場:概要
- 2024年の市場シェア (%) 分布:治療薬別
- 2034年の市場シェア (%) 分布:治療薬別
第7章 CD40/CD40L阻害薬:背景と概要
第8章 対象患者集団
- 主な調査結果
- 仮定と根拠
- 疫学・シナリオ
- 主要7カ国における主な適応症の総症例数
- 主要7カ国における主な適応症の総適格患者数
- 主要7カ国における対象適応症の総治療症例数
第9章 新興薬剤
- 主要企業
- Dapirolizumab Pegol: UCB and Biogen
- 製品説明
- その他の開発活動
- 臨床開発
- 安全性と有効性
- Frexalimab: Sanofi
第10章 CD40/CD40L阻害薬:主要7カ国市場の分析
- 主な調査結果
- 市場見通し
- コンジョイント分析
- 予測の前提条件
- 主要7カ国における市場規模
- 主要7カ国における市場規模:適応症別
- 主要7カ国における市場規模:治療薬別
- 米国
- EU4と英国
- 日本
第11章 市場アクセスと償還
第12章 SWOT分析
第13章 KOLの見解
第14章 アンメットニーズ
第15章 付録
第16章 Delveinsightの提供能力
第17章 免責事項
第18章 DelveInsightについて