本調査レポートでは,国内のITバイヤーにおけるFuture of Digital Infrastructure(デジタルインフラストラクチャの未来)の実現に向けたITインフラの変革への取り組み状況を分析する。世界と国内の調査結果やIDCアナリストによるヒヤリング調査に基づき,国内における運用の自律化とAIOps(Artificial Intelligence for IT Operations)や,FinOps(cloud Financial Operations)の実態に焦点を合わせて分析する。IDC Japan,Infrastructure & Devicesのリサーチマネージャーである宝出 幸久は「国内においてAIOpsやFinOpsは十分に実践されているとは言い難い状況である。とは言え,運用の自律化やコストの最適化への取り組みは始まっており,AIOpsやFinOpsの実践に向けた環境は整備されつつある。ITバイヤーは,AIOpsやFinOpsの実践を通じて,自組織内の関係者とコミュニケーションを図り,組織文化の変革を進めることで,「ITインフラ運用の自律化」や「ITインフラコストの最適化」の域を超えて,デジタルビジネスのレジリエンシーやビジネス成果の向上につなげるべきである」と分析している。
Table of Contents:目次
Executive Snapshot
概況
- Future of Digital Infrastructure(デジタルインフラの未来)
- ITインフラ運用に関する世界と国内調査結果の比較
- 2023年の支出増減の見込み
- ITインフラの運用/調達に関する施策の優先度
- デジタルインフラストラクチャ調達に影響を与える役職者
- ITインフラ運用の自律化やAIOpsの実態と変革の状況
- 国内におけるITインフラ管理や運用に関する投資意向
- ITインフラ運用管理の自律化やAIOpsが求められる背景
- ITインフラ運用の自動化の進展とAIOpsの現在地
- IDCによるインテリジェントCloudOpsソフトウェア市場定義
- クラウドITオートメーション/構成管理ソフトウェア(ITACM:IT Automation and Configuration Management)
- クラウドコンフィギュレーション,プロビジョニング,ガバナンス
- プログラマブルコンフィギュレーションオートメーション
- マルチクラスターコンテナ管理
- クラウドITオペレーション管理ソフトウェア(ITOM:IT Operation Management)
- クラウドITオペレーション管理ソリューションおよびサービスは,プライベートクラウド,パブリッククラウドのSaaSとIaaS,クラウドインフラストラクチャ上で稼働する本番ワークロードなど,ネットワーク接続されたクラウド環境の管理に使用する製品とサービスに限定される。これらの機能は,従来のITOM製品の延長である場合もあれば,クラウドやコンテナベースのクラウドネイティブ環境向けに構築されている場合もある。クラウドITOMには,以下のセクションで説明するように,クラウドオブザーバビリティとクラウドコスト/キャパシティ最適化という2つの大きなカテゴリーがある。
- クラウドオブザーバビリティ
- クラウドコスト/キャパシティ最適化
- クラウドITサービス管理ソフトウェア(ITSM:IT Service Management)
- インテリジェントCloudOpsソフトウェア市場定義における代表的な製品/サービス
- 国内におけるFinOpsの現状と将来展望
- FinOpsに関心が集まる背景
- FinOpsの定義と目的
- 国内ITバイヤーにおけるFinOpsの浸透状況と今後の展望
- FinOpsソリューションベンダーの動向
ITバイヤーへの提言
参考資料
List of Figures (9)
- Executive Snapshot:2023年 国内ITインフラトランスフォーメーションの現状分析と将来展望-AIOpsとFinOpsの現在地
- Future of Digital Infrastructure(デジタルインフラの未来)フレームワーク
- インフラストラクチャ管理、自動化、セキュリティサービスに関する2023年の支出増減見込み、稼働インフラ別、2022年との比較
- ITインフラの運用/調達に関する施策の優先度
- デジタルインフラストラクチャ調達に影響を与える役職者
- ITインフラ投資で重視する項目
- ITインフラの課題
- インフラ運用の自動化への取り組み状況
- インテリジェントCloudOpsソフトウェア市場定義における代表的な製品/サービス