標準的な開発から本格的な試験、実装までの過程でRFID市場は2002年、大きく進歩した。エンドユーザーのRFID技術への関心は頂点に達し、今後ますます高まるだろう。RFID技術はエンドユーザーから強い支持を受けている。消費財メーカー、政府機関、小売業、医療機関、図書館、航空会社などがRFIDソリューションを使い、評価し、テストしながら認知を深めている。しかし、Venture Development Corporation(VDC)のプロジェクトマネージャー、Michael Liard氏は「エンドユーザーは出てきたが、実際に購入までは至っていない。RFIDブームは爆発的売れ行きという形にこそ表れていないが、2002年はRFID市場にとって意味ある年となった」と指摘する。2002年、RFID市場を形成した要因は何だったのだろうか?
景気低迷の中での市場拡大――VDCの最新英文調査報告書「Global Markets and Applications for Radio Frequency Identification and Contactless Smartcard Systems,4th Edition」によると、世界のRFIDシステムの出荷額(トランスポンダー、リーダー、ソフトウェア、サービスを含む)は、2002年、9億6,500万ドルに達したとしている(表1参照)。世界規模の景気後退により(特に米国などの大市場)この2-3年、IT投資は縮小傾向にあり、RFID支出も抑制されてきたが、RFID市場は2000年以来、年間約8%の複合成長率で拡大している。
RFIDソリューションに対する関心と認知はこれまでにないほど高まっている。しかしRFID市場は、ユーザーへの啓蒙、標準、エンドユーザーからの価格期待、潜在的アプリケーションなど、堅調な拡大を阻み得る問題と取り組んでいかなければならない。2003年のRFID市場を読み解くキーワードは「待ち」である。標準を待つ、価格下落を待つ、大口注文を待つ(特にTier-Oneの大手エンドユーザー)、市場の爆発的拡大を待つ。それらの答えが出るまで待つ間、業界プレーヤーはRFIDの価値を浸透させ、市場を啓発し、さらに価格、性能、技術のアベイラビリティといった重要問題について統一したメッセージを発信しなければならない。現行料金で、現在利用可能な技術には、まだまだ改善の余地があり、RFIDシステムはビジネス環境にどんな影響をもたらすかについてさらに多くのエンドユーザーが理解を深めることが必要である。
