近年キナーゼ阻害剤の分野は成熟段階へと進みつつあります。こうしたなか開催されるNext-Gen Kinase Inhibitors 2012は、今後の展望や製薬業界に対する影響について考えるとともに、技術や製法、これまでにない標的や治療アプローチといった面での新たな可能性を探求する会議であり、キナーゼ阻害剤の新たな適応症や、がん標的以外で発展を遂げつつある各種の治療分野などにも光を当てます。
またこの会議では、抵抗性への対応、選択性と安全性の問題、リード化合物の開発、化学と生物学の統合、フラグメントをはじめとする各種の有望な手法の利用、構造ベースの設計、薬物動態学および薬力学に基づく薬剤の最適化、膨大な量の利用可能なデータの分析方法といったテーマも取り上げられることになっています。
主なトピック
- 抵抗性の問題を克服するための戦略
- がん、炎症、自己免疫疾患、中枢神経系疾患の標的化
- タンパク質キナーゼの構造変化
- キナーゼ阻害剤同定の新たな方法
- リード化合物と阻害剤の最適化
ショートコース:キナーゼの人文科学
6月4日(月)午前9:00〜午後12:00
これからキナーゼの研究に従事する、あるいはこの分野で一定の経験を有しているが、さらに多くの知識を吸収したいと考えている化学と生物学の研究者を対象とした講座であり、あらゆるキナーゼ研究プログラムの重要な基礎知識となるようなトピックを網羅します。
この講座で取り上げる主なテーマ
- タンパク質の構造:「不活性」形態と「活性」形態(DFG-out/in)の構造的な基盤、活性点残基と静電気、ゲートキーパー、ヒンジ、リアポケット
- アッセイ:さまざまなフォーマットとリードアウト、IC50とKiを制御する因子、ATP濃度、オフレート、溶解度、化合物の成否を分ける要因
- 阻害剤:承認薬、阻害剤のタイプ、タイプ1/2、指示されたATP部位、アロステリック、共有原子価、リガンド効能のホットスポット、共通の化学型
- カイノームの選択性:カイノミクス、ヒートマップの可視化と解釈、保存性可変活性点残基
- 技術:高スループットスクリーニング、フラグメントベースの設計、構造ベースの薬剤設計
- ケーススタディ:後期段階の課題
講師Kent Stewart, Ph.D., Research Fellow, Structural Biology, Abbott & Maricel Torrent, Ph.D., Senior Scientist, Abbott
また、構造に基づく医薬品設計をテーマにしたStructure-Based Drug Design Conference(2012年6月6日〜8日)にも是非ご参加ください。